Modeling Forum 2009に行ってきた

先日六本木ミッドタウンで行われたModeling Forum 2009に、午後から行ってきました。会場はスーツを着た40〜50代のおじさまで溢れており、セッション中にノートPCを開く人など皆無で、開始5分で寝始める人も多く、技術系カンファレンスとの違いをまざまざと感じてきました。
# 寝てるおじさまは何しにきてるんだろう?この不景気に余裕があってうらやましいなぁ。

ただ、そんなカンファレンスの中でとても勉強になったのが、日揮情報システム株式会社の岩田アキラさんによる「BPMN 2.0に見るプロセスモデリングとデータモデリングの接点」というセッション。最近仕事でBPMN書いたりBuriのXPDL書いたりしてたこともあってBPMN 2.0に興味が出てきていたところに、の岩田さんが講演するということで、とても楽しみにしていたのでした。

セッションはのブログ記事+αという内容。BPMN 1.0は図の書き方の仕様のみでファイル形式に関して何ら規定していないため、ツール間の互換性もなければそのまま実装に移すこともできなかったわけですが、BPMN 2.0のワーキンググループにツールベンダーが入ったことで、より実装を意識した仕様が盛り込まれたそうです。
セッションのテーマである、プロセスモデリングとデータモデリングの接点でいうと、BPMN 2.0では画面や帳票、サービス呼び出し時の入出力メッセージなどもXMLで定義することができるようになりました。つまり、「仕事がどう流れるか」だけでなく「仕事で何が流れるか」も明確に書くことができるようになった、ということです。
これは結構重要だと感じていて、BPMNを書いている時点から「何」に着目することを意識させられるようになったことは、大きな変化になりそうです。自分がこれまでBPMNを書いていた時には、スイムレーン間でメッセージが送受信されることで満足してしまい、実際にそこで何が流れるのかは、後のフェースで詳細化していました。そうすると、BPMNとデータモデルを別々に作ることになってしまい、2つの間で齟齬が発生して詳細設計で気づくといった問題が発生しがちでした。BPMNを書いているときから入出力I/Fのデータモデリングをすることで、後工程で発生する問題を未然に防ぎ、さらにお互いを補完し合うことで図の理解力が上がる、という効果が期待できるのではと思います。
実際これはBPMNの問題ではなく、自分の書き方というか、設計の進め方の問題ですので、BPMN 2.0を待たなくともすぐに実践可能です。そして、このような意識の変化を生み出すということが、BPMN 2.0の隠れた効果になるのではと思います。
この他にも、自分はこれまで概念データモデルでもDBを意識したモデリングをすることが多かったのですが、画面や帳票、メッセージも概念データモデルに含めていいんだ、ということに気づかされました。自分にとって、大変ためになったセッションでした。

2009-11-19 追記

Modeling Forumのほぼ全セッションが、オンラインで聴講できるようになりました!BPMNに興味ある方必見です!-> http://www.idg.co.jp/expo/mdl/2009/seminar.html
BPMN 2.0以外にも、「ファシリテートされた要求ワークショップ:力を合わせてニーズを定義する」とかオススメです。要求開発ワークショップの進め方 ユーザー要求を引き出すファシリテーションや、実践ソフトウェア要求ハンドブックの著者による講演です。